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オリオンの翼 番外編「いつの日にか王子様が…」後編

送り迎え用の車で学校に向かう二階堂、窓からの風景は変わらない毎日。
はぁとため息をついて、到着を待つ。
運転手「坊っちゃん、何か曲かラジオを流しましょうか?」
二階堂「いい。」
その一言で車内は、静寂になる。10分ほどするとセントマリアーヌ学園が見えてきた。
運転手「まもなく、到着でございます。」
学校に到着するも、いつもなら退屈でつまらないという一言だが、今日の彼は違う。
運転手「行ってらっしゃいませ。」
二階堂「あぁ、行ってくる。」
運転手を見て、にこりと優しく微笑んだ。その笑顔に運転手は驚いたのか、あっけらかんな表情で立ち尽くしていた。
運転手「坊っちゃんが…、笑った。」
正門を抜けて真っ直ぐ歩いていると、後ろから落ち着いた挨拶をしてくる苺がやって来た。
苺「おはようございます、二階堂くん。」
二階堂「おはよう、豊中さん。」
苺は、足を止めると二階堂の方を振り向き腰にてをあてながら、少し背伸び状態で
苺「二階堂くん。」
二階堂「はい!」
苺「ふふん♪せっかくお友達になれましたんですし、私の事“苺”と呼んでくださいな。」
二階堂「え、あ、の。」
苺「いつまでも、豊中さん豊中さんじゃあ何だか味気ないですわ。」
二階堂「しかし、いきなり呼び捨てとは…………その、あの。」
視線をそらし顔を赤らめて、呼び捨てに困る二階堂。
苺「ふむ………、でしたら私も二階堂君のことを……、えっと、あ、晶とお呼び致しますわ。」
二階堂「……は、はい、苺…さん。」
道の真ん中でなんとも言えないくら、いい雰囲気を漂わす二人。
そこへ
要「おい、お子様。そう言うことは、公衆の場でするんじゃなくて放課後の誰もいない教室でしろ。」
苺「な!?」
東「まあまあ、苺も成長したんだ許してやれ。」
苺「に!?」
要「ま、その内俺らみたいに外で堂々とキスくらいは出来るようにな…ん~。」
東の顎を持ちながら、キスをしようとするが、まさかの展開に驚いて殴る東。
要「じょ、冗談だ…東。」
東「ごほん…、まぁ付き合う付き合わないは本人同士の勝手だから、口は挟まない。だが、なにかあれば力は貸すから遠慮するなよ。じゃあな、ほら行くよ要!」
要「はいはい、っておい!待ってよ!」
東を追いかける要、追い付くとすぐさま東の手を握る。
幸せそうに手を繋ぐ二人をじっと見つめる二階堂。
苺「まったく…、イチャイチャするなら他でやれ。」
遠くにいる二人に文句を言う苺を見て、二階堂は後ろからそっと手を伸ばし手を握ろうとする。
昨日は、突発的に握ったから握った記憶が曖昧で、むしろ覚えていない。
鼓動が高まる中、そっと手を伸ばす。すると、苺は振り返ると同時に手を引く。
苺「申し訳ありません……その、晶。」
二階堂「い、いえ、仲がいいんですね二人とも。羨ましいです。」
苺「ふふ、確かに馬鹿が付くくらいにね。」
二階堂「あの……苺、さん。」
苺「ん?なに?」
二階堂「今日の放課後、空いてますか?」
苺「勿論!」
二階堂「じゃあ、放課後高等部の音楽室で待ってます。」
苺は、笑顔で返事を返す。

その光景を遠くから、怪しい影が二人をじっと見つめていた。
放課後


約束通り、音楽室に向かう苺。音楽室に近づくにつれバイオリンの音がする。優しい音色…そして、扉を開けると優雅にバイオリンを弾く二階堂。
その姿を入り口でじっと見つめる苺、思わず聞き惚れる音色、思わず見惚れる姿、声をかけるのを忘れるくらい。
そんな苺にようやく気づき演奏を止める二階堂、音色が止まるとはっと我に返る苺。
二階堂「やぁ、苺さん。時間通りだね。」
苺「ま、まぁ当然ですわ!おほほほ!」
何故だか恥ずかしながら音楽室に入る苺。
そんな苺を思わず笑う二階堂。
二階堂「ぷっ………ははは!」
苺「な、何がそんなに可笑しいんですか!」
二階堂「だって、何だか苺さんって……はは、面白いなぁって。」
苺「そうですか…?」
恥ずかしながら聞く苺に、二階堂は微笑みながらも頬を赤らめてうんと答えた。そんな二階堂に、赤くなりがら意地を張る苺。
苺「ふん!私を褒めても何も出ませんことよ!」
ふふと笑うと、またバイオリンを構えて再び演奏する二階堂。その音色からは、やはり優しさが感じられる。苺は、演奏する姿を座りながら近くで優しくも恋する瞳で見つめる。二階堂も演奏しながら、苺を見る。
オレンジ色の音楽室は、甘く優しい音色と空気に包まれていた。

そこへ

ダン!

勢いよく教室の扉が開かれた、その大きな音に驚いて演奏は止まり、二人は入り口の方を見る。
見れば入り口に立っているのは、翠川瑠璃と瑠璃のマネージャーだった。
マネージャーは、瑠璃を止めている様子だが瑠璃は、そうではない様子だ。怒りで我を忘れかけている。
「瑠璃!やめなさい!」
瑠璃「マネージャーは黙れ!これは私と晶と………。」
苺の方を怒りに満ちた目で見つめる瑠璃、苺はあの瞳から口に出さなくても何が言いたいかは大方読み取れている。

「よくも……私の晶を………あの女ぁぁ……」

苺「…………。」
二階堂「何しに来た、瑠璃。」
瑠璃「何しに来たですって?決まってるでしょ、あなたを取り戻しに来たのよ晶。あなたと私は運命共同体、結ばれる仲、愛し合う関係よ晶。」
二階堂「俺は望んでいない。」
瑠璃「あなたが望んでいなくても私は違う、あなたが欲しくて欲しくて堪らない、あなたが望まないならそれなりの事を私はしてあげる、わたしを望みたくなるような事を全部……。晶、私に何を望むの?答えて。」
感情は既にマックスを越えているが、本人は押さえながら二階堂に問いかける。
だが、二階堂は冷静に答える。
二階堂「俺は、瑠璃と結ばれる事も愛し合う事も望んでいない。何をしても…、俺の心はただ一つ。俺が心から好きな人と、傍にいることだけが俺の望み。だから、俺の前に現れないでほしい。」
苺を見て、そう語る二階堂。
苺「晶………。」
「な、諦めよう瑠璃。」
マネージャーのその一言で、ついにスイッチが入ってしまい隠し持っていたバタフライナイフで、まずマネージャーを切りつけた。
「る、瑠璃!何をする!」
瑠璃「皆して!皆してぇぇぇ!私をぉぉぉぉ!」
刃先は、二階堂に向いている。苺は、慌てて止めにいく……だが、罠だった。瑠璃の本当の狙いは苺だった。狂った笑顔で、真っ直ぐ苺に向かう瑠璃。
苺「!?」
瑠璃「死ねぇぇぇぇ!?」

二階堂「苺ぉぉぉぉ!?」


思わず目を瞑った苺。
でも、痛みはない。
ゆっくり目を開けると、目の前には、大きな男性の背中がある。
瑠璃「あ、晶………。」
二階堂「くっ………。」
苺「晶?………まさか!」
正面の方を見れば、なんとナイフをバイオリンで受け止めている。受け止めている場所は、弦が何本か切れていた。
瑠璃「あ、あああ、晶のバイオリンがぁぁ!」
苺「大丈夫ですか!晶。」
しゃがむ二階堂を支える。
二階堂「あぁ、平気だよ苺。」
苺「よかった…、でもバイオリンが…。」
二階堂「平気だよ、知り合いのバイオリン職人に直してもらうから。それより、そっちは?大丈夫?」
少し涙目で頷く苺、そんな苺の瞳から流れそうな涙を細い指で受け止める。
「瑠璃、もう二階堂さんは諦めろ。君は独りよがりしすぎたんだよ。な?」

瑠璃「嫌よ!絶対に嫌よ!なんで……なんで私じゃないのよ!なんで……なんで………ああ…あぁ!」
悔しがる瑠璃に声をかけようと苺が立ち上がろうとしたときに、遠くからシャッター音が聞こえる。微かだが確かに聞こえる。

カシャカシャカシャ

カシャカシャカシャ

「うひひ、こりゃイイネタだ。『アイドル翠川瑠璃、恋人に振られた腹いせに殺傷未遂。』」

中等部の校舎の屋上に、パパラッチがいる。それを見つけた苺。
苺「あそこか。」
窓を開けると、振り返らずに瑠璃に語りかける。
苺「翠川瑠璃、恋に一途なのは悪いことではありませんことよ!女の子なら誰しもが経験する話、ですが限度があります!恋は勝ち負けが嫌でもはっきりするものです、敗けを認めたくないのは誰もが思うこと、私も嫌です。ですが………。」
くるりと振り返り、瑠璃に指差す。
苺「恋のバトルに、刃物は禁物ですわ!バトルするならば、正々堂々とおやりなさい!」
瑠璃「……………!」
二階堂「……苺。」
苺「次にいい恋できるように、私がその手助けをいたしますわ。その代わり、ここでの秘密にしていてくださらないとお仕置き致しますわ。」
ウィンクするして、あの腕時計を出すと
苺「モードチェンジ!プリンディングキラー!?」



それから数日後…

とある午後の学園

要「っで、晴れて二人は結ばれたって訳。」
苺「はい、あーん♪晶。」
二階堂「は、恥ずかしいよ、苺。」
苺「私のプリンが食べられなくて?」
要「おい、貴様ら。」
苺「なんですの?要?」
要「俺の席の前で、いちゃつくなぁぁぁぁ!?」
苺「おーほほほほ!東がいなくて残念ですこと!」
要「ぶっ殺す!」

…芸能ニュース…

アイドル翠川瑠璃が
新たな恋人との熱愛を
告白。
記者「瑠璃ちゃん、もうイケイケドンドンの恋愛はやめたって本当?」
瑠璃「はい!」
記者「またなんで急に?瑠璃ちゃんの恋愛テクニックのモットーは、イケイケドンドンでしょ?」
瑠璃の表情が一瞬、大人の女性に変わり記者に答えた。
瑠璃「もう、そういうの疲れたんです。これからは相手を思う恋愛をします。」

荒川でミーシィーを観ていた苺は、にこりと微笑みテレビを消す。
暫くすると二階堂がやってきて、横に座る。
二階堂「どうしたの?」
苺「ううん、なんでもない…。」
そのまま仰向けに寝そべり、伸びながら
苺「私もそろそろ女らしく、磨きをかけて美しくなりますかね。」
なんて独り言を言っていると、耳を赤らめながら二階堂がぽつり言葉を漏らす。
二階堂「……苺は。」
苺「?」
二階堂「苺は苺のままでいいよ、そのままの君で俺は十分だ。」
苺「晶………、何を急に!冗談に決まってるじゃありませんか!たっく…。」
すると、二階堂は照れながらも振り返り、苺を抱き締めてしばらくしてから…………

姫は王子さまからの
優しいキスを受け取り
白馬に乗って
お城に向かい幸せに
暮らしました。

めでたしめでたし……


end



作者より
大変遅れたことに
お詫びも仕上げます
苺の後編はかなり
悩みました
苺の相手役は後々苺の旦那様になる方です。
本編に出てきた、名前のない旦那。あれは晶くんになります
次回はラスト番外編
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コメント

やっぱり最後はプリンなんだなぁ…( ̄∀ ̄)

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性別:女(20代です)
好きなartist:GLAY、嵐
趣味:イラストを描く事、本(おもに漫画)を読む、音楽を聴くなど

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